首相の施政方針演説で引用された「七つの社会的大罪」が話題になっています。インドの独立の父ガンジーが記したものとのことですが、初めて聞いたものだったので興味深かったです。

この七つとは、「理念なき政治」「労働なき富」「良心なき快楽」「人格なき教育」「道徳なき商業」「人間性なき科学」「犠牲なき宗教」であるとのこと。イギリス支配からの独立を主導したガンジーの生き様や信条がこの言葉に結晶化したのでしょう。

首相がガンジーの「七つの社会的大罪」を引用したのは、「目指すべき日本のあり方」を述べた部分です。引用後にこう続きます。
 二十世紀の物質的な豊かさを支えてきた経済が、本当の意味で人を豊かにし、幸せをもたらしてきたのか。資本主義社会を維持しつつ、行き過ぎた「道徳なき商業」、「労働なき富」を、どのように制御していくべきなのか。人間が人間らしく幸福に生きていくために、どのような経済が、政治が、社会が、教育が望ましいのか。今、その理念が、哲学が問われています。  さらに、日本は、アジアの中で、世界の中で、国際社会の一員として、どのような国として歩んでいくべきなのか。(施政方針演説)
行き過ぎた「道徳なき商業」の部分は先日のダボス会議のサルコジ演説と似ています。サルコジは金融機関の高報酬体質を激しく攻撃し、「資本主義とグローバリゼーションの再定義と改革の必要性」を説きました。しかし、サルコジと鳩山首相にも共通することは「ではどうしたいのか」がよくわからない点です。

いま日本で問題なのは経済が急速に衰退していることなので「道徳」を優先する局面ではないです。また、国を富ますには、雇用や税収を支える企業の育成が絶対に必要で、中期的な「成長戦略」も必要とされています。ところが、実際に立法化されようとしているのは「公開会社法」にみられるように、東欧社会主義国家でかつてみられた労働者主導企業を目指すような動きです。これが日本の進むべき道なのでしょうか。...