アブダビ(アラブ首長国連邦)--ソーラー・プレーンで世界一周の旅を成功させるカギは、自己催眠と軽量な機体の設計にある。

ソーラー・インパルス(Solar Impulse)という会社の社長で、飛行機のパイロットでもあるベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)が、ソーラーパネルで発電し、バッテリーに蓄えた電気を動力源とする飛行機を操縦して、ノンストップで世界を一周する空の旅に挑戦しようとしている。2012年か2013年に予定されるこの挑戦の目的は、新しい空の旅のあり方があることを世界の人々に証明してみせることにあると、同氏は当地で今週開催されている「ワールドフューチャー・エナジーサミット(World Future Energy Summit)」に集まった参加者を前にしてそう語った。

ピカールとぼ、彼のパートナーであるアンドレ・ボルシュベール(Andre Borschberg)は、これまでに数多のコンピュータ・シミュレーションを繰り返し、この類の飛行機がさまざまな環境下でどういう振る舞いをみせるかについての情報を集め、また実機よりわずかにスケールダウンした実験機もつくってみた。そして、この実験機がうまく空を飛べることを確かめた。2人は年内に、この飛行機を高度2万7000フィートまでとばし、また夜間飛行も試みることにしている。 その後、2人はこの飛行機の後継機をつくり、それで大西洋横断飛行に挑戦するつもりだという。

「テスト飛行が成功すれば、このソーラー・プレーンで日中でも夜間でも飛行可能なことが証明される」とピカール。「これはわれわれがどんなことを達成できるかを示すデモンストレーションであり、パイオニア精神を示すシンボルでもある。21世紀の冒険は省エネ分野にある」

もしすべてが計画通り運べば、その後2人はさらに大型のソーラー・プレーンをつくって、今度は単独操縦での世界一周飛行が待っている。ちなみに、2人は7年前からこのプロジェクトを進めているという。

構造と仕組みについて
この最終版のソーラープレーンは小型の商用ジェット機と同程度の大きさになるが、ただし自転車のように軽い。両翼の端から端までの長さは64メートルで、翼の幅はエアバス社の製造するジェット機と同程度になるが、重量はわずか1.6トンにしかならない(これは小型乗用車とほぼ同じ重さ)。別の見方をすると、この飛行機は1平方メーターあたり約8キログラムの乗員・荷物しか搭載できないが、それに対して通常のジェット機の積載重量(1平方メーターあたり)は数千キロだとピカールは説明した。

「積載可能重量を20キログラム増やそうとすると、翼を1メートル長くする必要がある」(ピカール)

この飛行機には4基のモーターが積まれ、それがプロペラを回転される仕組み。そしてモーターを動かす電力は翼の上に搭載されたソーラーパネルから供給される。このソーラーパネルは日中に飛行機を動かし、同時にリチウムイオン・バッテリーに充電できるだけの発電能力、つまり表面積がなくてはならない。そうでなければ夜間飛行ができないからだ。機体の設計者らは夜間のバッテリー充電用にガソリンで動かす発電機の搭載も考えたが、しかしピカールは、どうせ機体の重量が増えるなら発電機よりも同じ重さのバッテリーを積んで蓄電容量を増やしたほうがいいと語った。

この最終モデルの搭載可能重量は160キログラムになる予定で、それならパイロット1人にパラシュート、救命ボート、水、食料、酸素を積んでも問題なく飛行できる。...

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http://wiredvision.jp/blog/kanellos/201001/201001221106.html